脳性麻痺のちゃまくん

出産時の低酸素により重度の脳性麻痺と診断された息子 “ちゃまくん” について綴っています。

もう聞くことができないちゃまくんの声

 

ちゃまくんは気管切開をしています。
 
気管切開とは、
喉を切開し呼吸を確保する手術のことを言います。簡単に言うと、口や鼻が呼吸する穴と表現するなら、喉に呼吸する穴を作ることです。
その穴に、気管カニューレという金属製やプラスチック製の曲管を挿入します。ちゃまくんはそこに人工呼吸器を装着しています。
 
産まれてすぐ自発呼吸がみられなかったため、気管挿管をしました。口から気管内チューブを入れて気道確保することです。
 
そして人工呼吸器で呼吸をお手伝いしてもらっていましたが、自発呼吸がみられるようになり、一度気管内チューブを抜管したことがありました。抜管して2週間、酸素は必要でしたが自発呼吸で過ごすことができました。
 
口の中にチューブが入ってないって素晴らしい!!!
チューブが入ってると痛そうなので、抜けて本当に嬉しかったです。
 

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そして、私にとって忘れられないとても大切な日となった出来事が起きました。
 
主治医から、産まれて3週間経って改めてちゃまくんの詳しい病状説明がありました。
 
この時に初めて、ちゃまくんの意識が戻る可能性が低いことを聞かされました。
 
それまでは、ちゃまくんが全然動かなくて目もあまり開かないのは低体温療法の際に使用していた鎮静剤の影響だと思っていました。時間とともに目が覚めて普通の赤ちゃんと同じように動いたり泣いたりすると信じていました。
 
 
ちゃまくんはずっとこのまま動かないの…?
泣くこともないの…?
このまま寝たきりなの…?
ママとパパのこともわからないの…?
 
 
本当に悲しかったし辛かったです。夫も同じ思いだったと思います。
 
いつもは歌いながらちゃまくんの腕を持ってフリフリ踊らせたり、絵本を読んであげたりしているのですが、その時はママもパパも言葉が出ず、シーンとしていました。
 
二人ともちゃまくんの身体を無言で撫でながらボーッとしていました。
 
沈黙が続く中…
 
 
うぅ〜…
 
 
え?
 
何?今の何?
 
今うぅ〜って聞こえたよね?
 
夫と顔を見合わせました。
 
今の声?ちゃまくんの声?
 
本当にびっくりしました。
 
今まで一度も声を出したことなんてなかったのに…
 
きっとママとパパが落ち込んでいるから励ましてくれたんだよね…
 
なんて、なんて優しい子なの…
 
今でも思い出したら涙が出そうになる…
とても大切な親子3人の幸せな思い出です。
 
この日以降、うぅ〜っと、か細い可愛い声は何度か聞くことができました。
 
しかし、この後ちゃまくんは気管切開をすることになったので、これがちゃまくんの最後の声になるのでした。
 
数日間でしたが、可愛い可愛い声をママとパパに聞かせてくれて本当にありがとう。
 
声が聞けなくても、これからもっともっとたくさん幸せな思い出が増えていくことを願っています。
 
 

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